造作譲渡契約の留意点

最近の不動産業界では、居抜き物件の流通が増えてきており、それに伴い居抜きの取引のトラブルも増えてきております。

増えてきている原因の一つに、契約形態の問題点があげられます。

良く見かけるのが、居抜きに関わる部分は賃貸借契約書の特約に記載するだけの事例です。

この場合ですと、賃貸借契約の前はいつでもキャンセルが可能ですから、譲渡する準備を進めていた場合トラブルにも繋がります。

居抜きは、動産の譲渡と不動産の賃貸借ですから、借主が混同しないように別の書面に分ける事が好ましいといえます。

別途、覚書や造作譲渡契約書を取り交わすのが良いかもしれません。

造作譲渡契約とは、造作物(内外装)什器備品の権利を譲渡する契約を言います。

造作譲渡契約は前借主と新借主で締結するものですが、今回は造作譲渡契約書の注意点についてお話します。

 造作譲渡契約するにあたって、まず大事なことは、貸主の承諾が得られていることと、譲渡される目的物がきちんと特定されていること、引渡しの期日が確定されていることです。

ですから、まず最初に造作の譲渡人に譲渡目録を作成してもらうのが良いでしょう。

また、造作譲渡契約は必ず賃貸借契約の前(出店準備、撤退準備前)に行うことが大切です。

造作代金は、造作譲渡契約時に手付け金(代金総額の30~50%)、引渡時に残金を引き渡すのが良いと思います。

この手付金に関しては、契約書に違約金の定めをしておくことも大切です。

造作譲渡契約書には、最低限以下の定めは記載しておきましょう。

造作売買の目的物の物件表示

貸主の表示

貸主に承諾を得ている旨の表示

売買価格、引渡日

手付金と残金の支払日

善管注意義務

前屋号の使用禁止(承諾がある場合はその旨)

危険負担

手付け解除とその方法

(履行の着手:客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をしていた場合は契約の解除もできない旨)

契約違反による解除とその方法

停止条件(借主に何等債務不履行なく、賃貸借契約が結ばれなかった場合)

リース品がないこと

新借主は原状回復義務を引き継ぐことを理解している旨

秘密保持の誓約

最低限このような契約条項がないと、居抜き物件の造作譲渡はトラブルが起こりやすいといえます。

次回は、居抜きのトラブル「みなし営業譲渡」についてお話しします。

———————————————————————————————

こちらのコラムは関東不動産会サポートメンバーによるコラムです。

記事に関するお問合せ、執筆者に対してのお問合せ等はこちらから

もしくは、上記「お問合せ」から、ご連絡下さい。

———————————————————————————————